やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2023/10/03
スポーツ指導について支払う報酬に対する所得税の源泉徴収の要否

[相談]

 私はこのたび、野球教室を運営する会社を設立しました。
 当社では、外部から社会人野球の選手であった野球コーチ(個人事業主)を招き、そのコーチに受講生への野球技術指導を行ってもらう予定です。
 そこでお聞きしたいのですが、当社が上記のコーチに支払う報酬は、所得税の源泉徴収の対象となる報酬に該当するのでしょうか。教えてください。

[回答]

 ご相談のコーチに支払う報酬は、所得税の源泉徴収の対象となる報酬に該当するものと考えられます。詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.報酬・料金等に対する源泉徴収制度の概要

 所得税法上、居住者に対し国内において下記のような報酬・料金等の支払をする者は、原則として、その支払の際、その報酬・料金等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10日までに、これを国に納付しなければならないと定められています。

  1. @ 原稿、さし絵、作曲、デザイン、講演などの報酬又は料金
  2. A 弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士などの業務に関する報酬又は料金
  3. B 社会保険診療報酬支払基金法の規定により支払われる診療報酬
  4. C 職業野球の選手、競馬の騎手、モデル、外交員などの業務に関する報酬又は料金
  5. D 映画、演劇その他芸能又はラジオ放送やテレビ放送の出演や演出又は企画の報酬又は料金
  6. E ホステス等の業務に関する報酬又は料金
  7. F 役務の提供を約することにより一時に取得する契約金で一定のもの
  8. G 広告宣伝のための賞金又は馬主が受ける競馬の賞金で一定のもの

2.スポーツ指導について支払う報酬に対する所得税の源泉徴収の要否

 所得税法上、上記1.@の報酬・料金には、脚本、脚色、翻訳、通訳、校正、書籍の装丁(書籍の外側部分のデザイン)、速記、雑誌・広告その他の印刷物に掲載するための写真、技芸・スポーツその他これらに類するもの(実技指導等)の教授もしくは指導又は知識の教授などの報酬・料金等が該当すると定められています。

 したがって、今回のご相談のコーチ報酬については、その支払いの際に所得税(および復興特別所得税)を徴収(源泉徴収)し、その徴収した所得税を、徴収日の属する月の翌月10日までに国に納付する必要があるものと考えられます。

 なお、上記の報酬・料金等に対する源泉徴収税額は、原則として、報酬・料金等の金額に10.21%の税率を乗じて計算した金額となります。

[参考]
所法204、205、所令320、所基通204-6、国税庁「令和5年版 源泉徴収のあらまし」など


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